在宅ターミナルケアとは
本人の住み慣れた環境・自宅において、死を目前にした利用者様さんとそのご家族様に、できる限り「よりよく生きること」を手助けすることです。
残された時間を穏やかに、そして充実したものになるよう、様々な面でサポートしていく必要があります。
まずは、全人的苦痛(トータルペイン)の緩和です
苦痛には大きく分けて4種類あり、
・身体的苦痛
・精神的苦痛
・社会的苦痛
・スピリチュアルペイン
が挙げられます
◆身体的苦痛に対しては、痛みや息苦しさ、だるさ等日常生活での支障があり、医師と連携して医療的にケアをしていきます
◆精神的苦痛には、不安やうつ症状、怒り、恐れ、孤独感など、病気や死を前にした状況から引き起こされます
これらに対してはご本人様のありのままの気持ちを傾聴・受容し、心穏やかに過ごせるよう関わっていきます
◆社会的苦痛は、仕事上の問題や人間関係、経済状況、家庭内での問題等挙げられます
ご高齢になるほど、この中で特に多いのは、取り残される家族様への心配です
だからこそ、ご自宅での暮らしやご家族様との時間を尊重し、できる限り一緒に過ごして頂けるよう家族様へのアプローチも行っていきます
◆スピリチュアルペインは、人生の意味や苦しみの意味、死の恐怖、価値観の変化、死生観に対する悩みなどがあります
「病気がもう治らない」
「生きていても仕方がない」
「こんな体になってしまった」
「できないことが増えてきた」
など、つらさは人それぞれです
これは容易に解決できるものではなく、人生においての苦悩のため、無理に励ますことや期待をさせるような発言はしません
ご本人様の訴えを時間をかけて傾聴し、その方にあった方法の声掛けや気持ちの在り方を一緒に考えるよう関わっていきます
訪問看護では、人生の最期の時間を支援することから、最期まで「その人らしく」を守れるよう、サポートしていきます
またご本人様だけでなく、ご家族様の思いや訴えも共有し、寄り添いながらともに歩んでいきます
ご本人様やご家族様に、後悔が残ることがないよう、多方面からアプローチし、穏やかに過ごせるよう努力していきます
実際の訪問って、どんなことをするの?と、疑問に思われることありませんか?
今日はナース訪問時の様子をご紹介していきます
訪問したら、ケアを行う前にコミュニケーションを図ります
その後、バイタルサイン測定(体温、血圧、脈拍、酸素飽和度)を行い、疾患に合わせて聴診器を使用し、観察していきます
必ず利用者様と視線を合わせ、会話を交えながら行い、リラックスした状態での健康観察ができるよう心がけています
次に、記録用紙を用いて観察項目を聴取していきます
食事内容や睡眠状況、排尿や排便など、身体的なことはもちろん、気分の浮き沈みがないか、困ったことはないかなど、メンタル面にも配慮して観察していきます
こうしてコミュニケーションの中から本人様の今の状態、また、前回の訪問から変わったことはないかなどを確認してから、実際のケアに介入していきます
今回は、状態観察と下肢のマッサージを行い、ご本人様から「爪を切ってほしい」と希望があったので爪切りも実施しました
利用者様にケア中リラックスして頂けるよう、明るい会話を用いたり、回想法を利用し認知機能の状況も同時に把握していきます
テレビが好きな方にはテレビの話題を提供したり、お料理の得意な方にはレシピを教えていただいたりと、利用者様に合わせた楽しい会話ができるよう、心がけています
医師の指示のもと訪問看護として利用者様のところへ伺い、看護を行いますが、指示されたことだけを行うのではなく、ご本人様の思いや訴えを傾聴し、できる限りのケアをしたい
そんな思いをスタッフ全員が持っています
「耳かきをしてほしい」
「背中をかいてほしい」
など、何気ない会話の中で、本当は今これがしてほしいという思いを聞き取ることができます
限られた時間の中でケアを行うことはとても重要であり大変なことですが、ゆとりのある時には利用者様の願いを聞き入れられるようにしています
訪問が終わり、退室する時には、皆さま笑顔で
「ご苦労様。今日もありがとうね」と仰ってくださいます
次回訪問時にも、楽しく明るい訪問ができるよう、心がけていきます
私たちアップのナースは受け持ち制を実施しています。
これを行うことで、1人の利用者様に対して深く付き合うことができ、一貫した看護を責任もって行うことができます。
現在担当している利用者様は、何か変わったこと、気になったことがあれば医療的なことは主治医へ、介護的なことはケアマネへ連絡し、問題に対して迅速に対応しています。
訪問した際の何気ない気付きや家族様からの相談、ご本人の悩みなどをきっかけに、状況が悪化しないよう早期に対応するよう心がけています。
また、利用者様を取り巻くリハビリ、ヘルパー、担当ケアマネ、通所事業所等、そのほかの専門スタッフとの横のつながりを重視し、多職種との情報共有も密に行っています。
担当者会議で話したことだけでなく、毎回の訪問時に出現した問題や状態の変化などを共有し、利用者様の安全安楽を確保できるよう、これからも心がけていきます
訪問時にケアを行うことだけでなく、利用者様・家族様との人と人とのかかわりを1番大切に考えています
今回はとくに日頃から気を付けているポイントについて、お伝えしていきます
①看る力 聞く力を養う
・自分目線の「困っているかもしれない」を押し付けない
・本人の口から直接困っていることを聞き、受け止めてから対処する
・身体や表情のすべてをみて、いつもとの違いを見つけ出す
②目的・目標を持った介入
・看護計画を立てるときから、本人様や家族様がどうなりたいのか、満足度や望みをかなえられるように立案する
・観察を重ね、本人様の状態に合わた必要なケアができているかを確認する
・看護をする私たちが固定概念にとらわれず、相手が「自分らしく、幸せのために生活していくにはどうしたらいいか」をアセスメントして援助していく
③尊厳を守る
・独居、高齢夫婦世帯は、社会とのかかわりが薄くなってしまう為、 「大切な存在」「一人の人として大切にされている」と感じてもらえるように ケアや日頃の声掛けを通してアピールしていく
・孤独感や病気を抱えた苦しみを分かり合えるような良き理解者になる
・流れ作業のようにならないように、本人の気持ちに寄り添いながら 丁寧にケアを実施する
これらのことは当たり前に行っていかなければならないポイントですが、気が緩んだり関わる時間が長くなるにつれて曖昧になってしまう点でもあります
私情が入ることで、大切なことを見落としてしまう可能性も少なくありません
毎回の訪問時には気を引き締め、適度な緊張感をもってケアにあたり、寄り添うところ・一歩身を引くところの区別を忘れないようにしています
在宅という場所での看護・医療行為は、いろいろな制限があるため、もどかしさを感じることもあります
それでも今私たちができることを常に考え、利用者様・家族様にとってプラスになれるよう、努力していきます
少しずつ気温が上がり、日中は汗をかくことも増えてきましたね
これから暑くなり夏の季節、どんなことに気を付けていますか?
・冷房の温度、低く設定していませんか?
・水分補給、怠っていませんか?
・ジュースやお酒を水分補給の変わりにしていませんか?
・夜更かし、していませんか?
・冷たい食事が中心になっていませんか?
・暑さを理由に、運動が不足していませんか?
・湯船に浸からず、シャワーだけで済ませていませんか?
皆さんはいくつ当てはまりましたか?
上記のことが連なると、熱中症や夏バテ、脱水症状などを引き起こすことになります
今日は夏を上手に乗り切るためのポイントをご紹介します
1日中冷房を使用したり、冷たい食事に頼りがちになることで、内臓から冷えてしまい、血流が悪くなります
また室内・屋外での寒暖差が体を怠くさせてしまい、身体の不調を引き起こしてしまいます
そんな時は
①扇風機の併用や衣類の調整をして環境を整えましょう
②内臓を冷やしすぎないように、食生活を見直しましょう
③湯船に浸かる時間を作り、身体の芯から温まりましょう
④規則正しい睡眠リズムを確保しましょう
⑤有酸素運動やストレッチを取り入れ、身体と心のリフレッシュを行いましょう
また夏バテ予防にはこまめな水分補給が大切です
お酒やジュースではなく、不足したものを補えるよう適切な水分を選択していきましょう
アップでは、全員が集まれる時間を作り、カンファレンスや講習会を行っています
今回は、洗髪に使用するケリーパッドをステーションで購入し、実際に使用してみました
在宅ケアでの洗髪の多くは、新品のおむつやバスタオル・ビニール袋を活用した即席のものなど、低コストで行えるものを使っています
実際にお風呂に入れない方は、本当にそれで満足なのか?というところに疑問を持ち、検証することにしました
実際に使用してみると、空気を入れるだけで使用することができ、軽量のため持ち運びも便利でした
見た目もすっきりしており、水漏れの心配なく扱うことができました
ベッドで横になったままでも使うことができ、消耗品を使うことなくエコなところも好印象でした
実際に訪問看護のケア内で、洗髪を希望されている方には、ケリーパッドをステーションから無料で貸し出し、より爽快感を味わって頂けるように介入していきます
また家族様も扱いやすいため、おうちでの洗髪をしてみたいという家族様には、使用方法や注意点などのアドバイスも行っていきます
より良い看護の為に、今後も新しい介護用具の活用もしていきます
訪問看護を使いたいと考えても、どこのステーションにお願いしていいのかわからない
そんな声をよく耳にします
今回は訪問看護の選び方をお伝えしていきます
①自分の家から近いかどうか
②緊急時に対応してくれるかどうか
③主治医と連携しているかどうか
④対応が丁寧かどうか
特に上記4つのポイントは、気になりますよね
訪問看護ステーションアップでは、利用者様・家族様に安心して利用して頂けるよう、心がけています
●ステーションはJR岡崎駅周辺にあります
周辺エリアだけでなく、岡崎市・幸田市は訪問対応できます
そのほかのエリアも、ご相談を通して前向きに検討いたします
●緊急時の対応は、日中(9時~18時)は、ステーションの電話番号にかけていただき、担当ナースが伺います
それ以外の時間は、オンコール専用のケータイを所持していますので、電話連絡の内容に応じて緊急訪問可能です
●在宅医療に特化した医師との連携をしており、特変時には電話・FAXでの連絡相談、それ以外の情報共有は、毎月報告書を提出して状態を伝えています
訪問の際の「何かおかしい」「いつもと違う」といった看護師のカンを見逃すことなく、以上の早期発見・報告・早期対応を心がけています
私たちアップのスタッフが1番力を入れているのは、看護師目線でのケアではなく、利用者様・家族様が本当に必要としているケアを行うことです
専門知識を持っている看護師からの目線はもちろん大切ですが、独りよがりの看護になってはいけません
常に、何が必要なのか、本当にしてほしいことは何なのか、今の身体面・精神面に対して自分がやっているケアは適しているのかなど、随時見つめなおし、チーム内で相談しながら、「適切なケア」を提供できるようにしています
訪問の時間や回数に制限はありますが、利用者ファーストを目指して、身体面・精神面ともにアップしていけるようにこれからも関わっています
訪問看護を利用される方は、
・住み慣れた在宅での生活をしたい
・自分らしく生き、ストレスを軽減させたい
・通院が大変、困難で家族に負担をかけたくない
など、在宅療養を強く希望されている方がたくさんいらっしゃいます
しかし、導入するタイミングが遅くなると、適切な看護や医療が受けられなかったり、体調の悪化時に迅速な対応が受けられなかったりすることも考えられます
訪問看護ステーションアップでは、現在の状況に合わせた訪問回数、時間、サービス内容を考慮し、月に1回からでも訪問看護を使うことができます
訪問看護は、病院や施設での療養に比べて、利用者様と看護師が1対1で向き合う時間を確保できる為、利用者様の個別性を十分に生かした看護を提供することができます
アップでは、主治医や担当ケアマネと密に情報交換をしているため、利用者様や主介護者の方の状況が変わっても、すぐに対応できます
また、土日の訪問も可能で、受け持ち制を導入している為、訪問の際には一貫したケアを受けることができます
まずはコミュニケーションや観察を通して病状の把握をし、病気に進行とともに看護計画を立て直し、本当に必要なケアをしていきます
・持病をたくさん抱えている方
・今は調子が良くても、病状の悪化が考えられる方
・ご高齢の方
・余命宣告されいる方
など、「先を考えると不安」という方には、早期導入がおすすめです
実際に月に1度、1時間の訪問看護(状態観察)を希望され、担当させていただいている利用者様がいます
訪問の頻度は少ないですが、24時間の緊急時訪問看護加算を付けているため、訪問以外の時間も常に看護師と連絡を取ることができます
ご本人様も、月に1度の訪問を楽しみにして下さり、会話時はたくさん笑顔も見られます
必ず訪問時には頭から足の先まで観察し、異常がないか確認しています
毎月主治医や担当ケアマネには、報告書を通して状態の報告をしているため、現状の共通認識もできています
このように、訪問看護の使い方は人それぞれです
利用者様・家族様のニーズに合わせた訪問看護を目標に、「アップにお願いしてよかった」と思って頂けるよう働きかけています
訪問看護や在宅での療養を考えている方は、お気軽にご相談ください