・厚生労働省は1月30日、介護保険最新情報Vol.1204にて、ケアプランデータ連携システムを導入した場合の導入後の費用対効果をかんたんに診断できる「かんたんシミュレーションツール」を作成し、ケアプランデータ連携システムヘルプデスクサポートサイトに公開した。
・事業所で提供票を作成する人数や事業所数、利用者数など5項目を入力することで、削減できる金額や時間を見える化し、どの程度の費用対効果が見込めるかを調べることが可能となる。
・ケアプランデータ連携システムは2024年1月9日現在、8532事業所が導入しており、2023年10月時点の事業者数177,803事業所のうち、約4.8%の導入率となっている。
・株式会社テクノスジャパンは、主に独居者に向けた安否確認および孤独死の防止、早期発見を目的とした『絆コール(きずなコール)』を新開発。
・絆コールは、見守り機器にありがちな複雑な操作や設定を必要とせず、Wi–Fi等の通信環境も必要なく、どこでも・誰でも簡単に使える安否確認ツール。孤独死の早期発見ツールとなるべく、2023年から開発に取り組んでいた。
・2024年2月から2024年8月まで、千葉県松戸市の常盤平団地において実証を目的としたモニター運用を開始。
松戸市在住のモニターサポーターを新たに雇用して対象者宅への設置、設定等を行い、メール通知があった場合は民生委員が対応する運用スキームの後、2025年の正式リリースを目指すとしている。
・厚生労働省が来年度の介護報酬について、サービスごとの新たな基本報酬を公表。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの基本報酬が上がる一方で、訪問介護に関係するサービスの基本報酬は引き下げとなった。
・原因の1つは、厚生労働省が実施した介護事業経営実態調査。これによると、訪問介護の利益率が7.8%と、介護サービス全体平均である2.4%より高かったことが挙げられる。だが、サービス付き高齢者住宅併設の訪問介護も入っているため、 訪問コストの割合が下がっていることを考えると実態に即さないという意見も出ている。
・もう一点は、基本報酬は下げるが、処遇改善加算を引き上げる点。大きな事業所は改善しやすいが、訪問型は小規模な事業所が多く、処遇を上げずらい。これは、国の「事業の大規模化」に沿った動きだと見られる。
・厚生労働省は1月25日、介護職員処遇改善支援補助金について、介護保険最新情報Vol.1202にて事業の実施要綱やQ&Aなどを通知した。
・介護職員処遇改善支援補助金は、令和6年2月分から5月分の介護職員の賃上げを行うために実施するもの。6月分以降については介護報酬改定により、今回の補助金額を上回る加算率の上乗せを行うこととしている。
・補助金要件は、①ベースアップ等支援加算を算定している、②令和6年2月より賃上げを実施すること、③補助金全額を賃金改善に充てることの3点があり、介護職員だけでなくその他の職員の賃金改善に充てることも可能。
・実際の計画書受付や締切スケジュールについては都道府県ごとに異なるため、確認が必要。
厚生労働省は1 月22 日、介護報酬改定の報酬単価を告示しました。特養や老健の基本報酬は2% を超え大幅に引き上げられましたが、訪問介護の基本報酬は2% ほど引き下げられ、明暗が分かれました。
審議委員からは、訪問介護の引き下げについて「遺憾」との異論意見も複数出ました。
今後、訪問介護の需要が伸びることが予想され、改定後の訪問介護の状況検証が求められています。
厚生労働省 | 懸念意見 |
● 処遇改善加算の拡充で人手不足の解消可能
訪問介護の処遇改善加算は14.5 〜24.5% の加算 率を取得できるよう設定した。訪問介護の利益率は7.8% と全サービス2.4% を大きく上回っており賃上げ余地があると考える。 |
● 処遇改善加算拡充だけでは人手不足の解消困難 改善加算を乗じる前の基本報酬単位が下がれば、それを補うだけの加算を取得しない限り処遇改善は困難。また加算取得のハードルは高く加算は容易ではない。 訪問介護の経営は苦しくなり、これからの物価上昇、他社の賃金上昇のスピードに追いつけなければ新規募集や離職回避は難しい。 現状のホームヘルパーの有効求人倍率が15 倍を超えている現状で間に合わない。地方の訪問介護は成り立たなくなる可能性がある。 |