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月別アーカイブ: 2024年2月

ケアプランデータ連携システム「かんたんシミュレーションツール」公開

・厚生労働省は130日、介護保険最新情報Vol.1204にて、ケアプランデータ連携システムを導入した場合の導入後の費用対効果をかんたんに診断できる「かんたんシミュレーションツール」を作成し、ケアプランデータ連携システムヘルプデスクサポートサイトに公開した。
・事業所で提供票を作成する人数や事業所数、利用者数など5項目を入力することで、削減できる金額や時間を見える化しどの程度の費用対効果が見込めるかを調べることが可能となる。
・ケアプランデータ連携システムは202419日現在、8532事業所が導入しており202310月時点の事業者数177,803事業所のうち、約4.8%の導入率となっている。

独居者の安否確認・孤独死の防止、早期発見ツール

・株式会社テクノスジャパンは、主に独居者に向けた安否確認および孤独死の防止、早期発見を目的としたコールきずなコール)新開発。
・絆コールは、見守り機器にありがちな複雑な操作や設定を必要とせず、WiFi等の通信環境も必要なく、どこでも誰でも簡単に使える安否確認ツール孤独死の早期発見ツールとなるべく、2023年から開発に取り組んでいた。
20242から20248まで、千葉県松戸市の常盤平団地において実証を目的としたモニター運用を開始。
松戸市在住のモニターサポーターを新たに雇用して対象者宅への設置、設定等を行い、メール通知があった場合民生委員が対応する運用スキームの後、2025年の正式リリースを目指すとしている。

【まとめ】訪問介護の基本報酬引き下げ

・厚生労働省が来年度の介護報酬について、サービスごとの新たな基本報酬を公表。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの基本報酬が上がる一方で、訪問介護に関係するサービスの基本報酬は引き下げとなった。
・原因の1つは、厚生労働省が実施した介護事業経営実態調査。これによると、訪問介護の利益率が7.8%と、介護サービス全体平均である2.4%より高かったことが挙げられる。だが、サービス付き高齢者住宅併設の訪問介護も入っているため、 訪問コストの割合が下がっていることを考えると実態に即さないという意見も出ている。
・もう一点は、基本報酬は下げるが、処遇改善加算を引き上げる点。大きな事業所は改善しやすいが、訪問型は小規模な事業所が多く、処遇を上げずらい。これは、国の「事業の大規模化」に沿った動きだと見られる。

介護職員の6千円賃上げ、実施要綱とQ&Aを通知

・厚生労働省は125日、介護職員処遇改善支援補助について、介護保険最新情報Vol.1202にて事業実施要綱Q&Aなどを通知した
介護職員処遇改善支援補助は、令和62月分から5月分の介護職員の賃上げを行うために実施するもの。6以降については介護報酬改定により、今回の補助金額を上回る加算率の上乗せを行うこととしている。
・補助金要件は、①ベースアップ等支援加算を算定している、②令和62月より賃上げを実施すること、③補助金全額を賃金改善に充てることの3点があり、介護職員だけでなくその他の職員の賃金改善に充てることも可能。
・実際の計画書受付や締切スケジュールについては都道府県ごとに異なるため、確認が必要。

介護サービスの2024年度からの運営基準が公表

・厚生労働省は125日、介護保険最新情報Vol.1201にて、2024年度からの、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容を公表。
115日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会了承を得て、パブリックコメントを募集していたもので、①介護現場の生産性向上、②医療介護連携が大きなポイントとなっている。
・介護現場の生産性向上においては、テクノロジー活用の委員会設置の義務付けや、医療介護連携において、全ての介護施設に協力医療機関の指定が義務付けられている。
・今後、今年度内に各サービスの新たな基本報酬や加算の単位数、算定要件などが告示される予定。

「認知症基本法」が1日より施行

認知症に特化した初の法律で、20236月に議員立法で制定された認知症基本法が、202411に施行され
・法律は基本理念に、国や自治体が対策に取り組む責務があり、国民も認知症の理解を深めることに努めると明記、国は内閣総理大臣を本部長とした認知症施策推進本部を今月中にも発足させ、認知症の本人やその家族どに意見を聞き、取り組みを進めるための基本計画を作るとしている
・認知症をめぐっては、アルツハイマー病の新しい治療薬も今年度から本格的な投与が始まる予定であり、今後、医療社会の両面で取り組みを進めることができるか注目を集めている。

介護職員の賃上げ 各サービスの補助率を公表

・厚生労働省は1228日に、全国の施設・事業所に対して事務連絡を発出。介護職員の賃金を平均で月6千円2%引き上げる今年度の補正予算の新たな補助金について、対象サービスごとの交付率を明らかにした
・対象サービスは、居宅介護支援や福祉用具貸与、訪問看護を除くサービスとなっており、認知症対応型通所介護の1.4%を最高に、各サービスごとに交付率を割り当てている。
・この新たな補助金は、介護職員の確保や離職の防止などを目的とするもので、20242月から5までが対象となり、6月以降は介護報酬を原資とする代替措置へ切り替えるとしている。

新サービス「フランスベッド長期レンタル」をスタート

・フランスベッドホールディングス株式会社は21より、レンタル期間を8年間とした医療・福祉施設向け新サービス「フランスベッド長期レンタル」サービスを開始。
・レンタル対象となるベッドは「自動寝返り支援ベッド」「超・超低床フロアーベッド」「低床サイドアップ3モーターベッド」の3種で、月額レンタル料は2,970円~7,370円、マットレスのレンタルも月額レンタル料220円から展開する。
・高機能介護ベッドの導入費用を最小限に抑え、費用の平準化や資金の効率的な運用が可能で、長期レンタルより製品の長寿命化を促進。使用済み介護ベッドの廃棄を減少させ循環型経済へ貢献できるとしている。

2024年度介護報酬改定 訪問介護 基本報酬引き下げ

厚生労働省は1 22 日、介護報酬改定の報酬単価を告示しました。特養や老健の基本報酬は2% を超え大幅に引き上げられましたが、訪問介護の基本報酬は2% ほど引き下げられ、明暗が分かれました。
審議委員からは、訪問介護の引き下げについて「遺憾」との異論意見も複数出ました。
今後、訪問介護の需要が伸びることが予想され、改定後の訪問介護の状況検証が求められています。

 

厚生労働省 懸念意見
処遇改善加算の拡充で人手不足の解消可能

訪問介護の処遇改善加算は14.5 24.5% の加算 率を取得できるよう設定した。訪問介護の利益率7.8% と全サービス2.4% を大きく上回ってお賃上げ余地があると考える。
それにひきかえ特養の利益率は-1.0% 、老健の利益率は-1.1% と経営が厳しく今回報酬引き上げとなった。また処遇改善加算を一本化し拡充した効果も出てくる。
こうした要素を考慮して各サービスの基本報酬を設定した。

処遇改善加算拡充だけでは人手不足の解消困難

改善加算を乗じる前の基本報酬単位が下がれば、それを補うだけの加算を取得しない限り処遇改善は困難。また加算取得のハードルは高く加算は容易ではない。
訪問介護の経営は苦しくなり、これからの物価上昇、他社の賃金上昇のスピードに追いつけなければ新規募集や離職回避は難しい。
現状のホームヘルパーの有効求人倍率が15 超えている現状で間に合わない。地方の訪問介護は成り立たなくなる可能性がある。