8020運動とは
80歳になっても、自分の歯を20本以上保とう
という歯の運動のことです
厚生省と日本歯科医師会の呼びかけで、1989年から始まりました
30年余りがたち、2016年度における調査では2人1人が8020となり、当初の目標である50%を達成することができました
平均寿命が延びた今、いつまでも健康な人生を送るため、全身の健康と密接な関係にあるお口の健康を守ることが大切です
働き盛りは、仕事や家事など、日々の忙しさからお口のチェックや定期的な歯科検診が減り、葉や歯茎のケアがおろそかになりがちです
その結果、歯肉炎や歯周病が見られるようになります
40代以降になると、歯周病などにより歯を失う人が増えてきます
2019年に行われた国民生活基礎調査では、加齢につれ「歯が痛い」「歯茎がはれている」「出血している」など、自覚症状を持つ人が増えています
特に高齢になると、葉が失われることも影響し、「噛みづらい」と訴える方も急速に増加しています
定期的な歯科検診を受けることで、歯とお口の違和感を最小限に抑えることができます
平均寿命に加えて健康寿命も延びているこの時代、私たちの生命活動は「食事」によって支えられています
些細な変化を見逃し、放置することで歯を失ったり、食べる・噛むなどができなくなります
その結果、栄養不足を引き起こし、身体機能の低下を招きます
違和感を感じた際、すぐに受診しましょう
歯を失う一番の原因は、歯周病です
歯周病は、「世界でもっとも蔓延している感染症」として、ギネスブックにものっています
歯周病は、歯周病菌が増えて起こる病気のことで、歯垢の中の歯周病菌が増え続け、炎症を起こすことで歯を支える組織を破壊していきます
厚生労働省の調査によると、歯周ポケット4mm以上の人の割合は、年齢
が高くなるにつれて増加し、45~54歳の場合で約半数となります
歯周病の初期は、痛みなどの自覚症状がないため、歯周ポケットが深くなってはじめて気づくことが多いです
歯周病が体の様々な病気に影響していることがわかっています
◆糖尿病
歯周病の進行により賛成する炎症性物質が血液中に入ると、インスリンの働きを低下させてしまうため、血糖値が下がりづらくなります
◆心臓疾患
歯周病が動脈硬化を引き起こす要因ともいわれています
心臓の内膜に歯周病菌がつくと、心内膜炎という病気をも引き起こし、命に関わるケースもあります
◆骨粗鬆症
骨密度は低下するため、歯周病によって産生される炎症性物質により、全身の骨の代謝に悪影響を及ぼすと言われています
◆肥満
メタボリックシンドロームの発症が高まると報告があります
◆脳梗塞
歯周病にかかっている人とそうでない人と比較した際に、脳梗塞になりやすいという報告があります
◆認知症
動脈硬化を引き起こす要因として歯周病が影響するといわれており、脳血管性認知症の原因になる可能性があると言われています
◆誤嚥性肺炎
歯周病などの細菌が、食事や唾液と一緒に誤って気管に入ると、肺炎発症のリスクを高めます
噛むこと、噛めることは、健康寿命を育みます
噛む力を保つことは、歯と口のトラブルを防ぐだけでなく、様々な健康効果を生み出し、健康寿命を延ばすことができます
①歯と口の病気を防ぐ
噛むことで唾液が分泌され、口腔内を浄化し虫歯や歯周病を防ぎます
②脳の発達・認知症の予防
口の開閉により脳に酸素や栄養が送られ、脳細胞が活性化します
③発音・表情が良くなる
口の周りの筋肉を使うためハウトン・表情が良くなります
④肥満を防ぐ
よく噛むことで満腹感が得られ、食べ過ぎを防ぎます
⑤胃腸の疲れが少ない
きちんとかまずに飲み込むと、胃腸の負担を招きます
<セルフケアのポイント>
歯垢のたまりやすい場所を知りましょう
・歯と歯の間
・歯と歯茎の境目
・奥歯のかみ合わせ面の溝
フロスと歯間ブラシを使いましょう
歯ブラシの毛先が届きにくい所は、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯垢を除去しましょう
歯磨き粉を選びましょう
殺菌作用のあるものやフッ素配合のもの、歯垢を取り除く効果や歯垢をつきづらくするものなど、様々です
目的やお口の状況に合わせて選択していきましょう
歯医者へいくのは、歯が痛くなってから
という印象を持っている方は多いのではないでしょうか
検診や歯磨き指導など、予防にも力を入れています
かかりつけの歯医者を決め、定期的にチェックを受けることで全身の健康を保持していきましょう!