人間は、健康な時は無意識に平衡を保って安楽な姿勢を取っています
しかし、麻痺があったり、長期間にわたる臥床のために自分の力では安楽な姿勢を保持することができない患者などは、筋や関節に負担がかかり、腰背部痛や関節障害、褥瘡などが発生しがちです
そこで、適切なタイミングで体位を変換する必要が生じてきます
その際には、変換後、患者にとって安楽な体位を保持することが大切になってきます
安楽な体位を保持する際にチェックしたい項目には、次のようなものがあります
①脊椎の生理的弯曲が保持されているか
②筋の緊張はないか
③関節に負担がかかっていないか
④患者に疲労感がないか
⑤支持基底面が広く、物理的に安定しているか
⑥局部的に圧迫が加わっていないか
アップのナースも、利用者様の体の状態に合わせ、安楽な姿勢が取れるようポジショニングを心がけています
また、寝たきりの利用者様は、同一体位をとる時間が長くなりやすく、座位で過ごす方より褥瘡などの皮膚障害が生じやすいです
その為、エアマットやギャッジアップのベッドなどの介護用具を使用し、安楽な姿勢が取れるようケアしています
さまざまなケースでの姿勢保持があるため、一部紹介していきます
★日中、呼吸をしやすくする為に、背もたれ30度、枕使用し、頭部20度のギャッジアップ姿勢をとる
→内臓のよる横隔膜への圧迫がなくなり、呼吸がしやすくなります
また、睡眠中の呼吸を楽にするためには、背もたれ10度、枕の使用で頭部10度にすることで、いびきの改善にも繋がります
★リラックスできるよう、背もたれ30度、枕を使用し頭部20度、足元20度のギャッジアップ姿勢をとる
→足もギャッジアップすることで太ももの筋肉の緊張が緩和されます
★下肢のむくみを改善させるため、足元30度のギャッジアップ姿勢をとる
→重力の関係から、水分は下肢にたまりやすいため、心臓の位置より低く、枕と同じぐらいの高さにします
★介護度が低い時の食事や口腔ケアの際、背もたれ30度、枕の使用で頭部30度、足元30度のギャッジアップ姿勢
→頭を起こし、顎を引いた姿勢にすることで誤嚥を予防します
また、寝たきりの利用者様の中には、傾眠状態にある方が多いため、しっかり姿勢を起こして生活の中でのめりはりをつけています
褥瘡リスクがあり、背部を上げられない場合は、背もたれ16度、枕の使用にて頭部16度、足元16度にすることで、臀部への圧力を減らしながら、誤嚥しづらい姿勢をキープすることができます
このように、寝たきりの状態でも、ギャッジアップや枕の使用にて角度を変えることで、より安楽に生活することができます
行うケアの内容に合わせて角度を調整し、ケアを受けている最中も体に負担のないよう配慮しています
さまざまな介護用具がありますので、お悩みの方はぜひご相談ください!