みなさんは、1日にどれぐらいの水分を摂取していますか?
私たち人間が生きていくために、「水」はなくてはならないものです
摂取している水の量が不十分であれば、最悪の場合、命に関わることもあります
また、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞といった病気に繋がることもあります
暑くなるこれからの季節、体に必要な量の水分摂取をしていく必要があります
水は、栄養素と違い、摂取量が決められていません
目安として、活動量の多い方は3リットル
そうでない方でも1.5~2リットルの水を飲むことが重要と言われています
1日に必要な水分量(ml)=体重(kg)×年齢別必要量(ml)
水分が足りなくなると、初期の段階では喉の渇きを感じ、徐々に悪化するにつれてめまい、吐き気、食欲減退などの健康障害に繋がってしまいます
重度なものになると、筋けいれん、失神が生じ、生命の危機を感じることになります
1日に約2リットル
こう聞くと「そんなに飲めない」と思われる方も多いと思います
効率よく、そして苦痛なく水分を摂取するために、どのような飲み方をしたらいいのかお伝えしていきます
・朝起きたらコップ1杯の水を飲む
寝ている間は、汗として水分が体外へ出ていきます
コップ1杯(2001ml)を起きた時に飲みましょう
そうすることによって、胃腸への刺激にもなり、腸内環境が整うことで便通を改善する効果もあります
また、就寝前に飲むことも効果的です
睡眠に影響のないように摂取していきましょう
・運動や入浴の前後
活動時は通常時よりも多く発汗し、水分が失われるので意識して飲むようにしましょう
また、水だけではなく、塩分の補給していきましょう
・食事の前
食事中の水分摂取は、量が増えると消化酵素を薄めてしまい、消化不良を引き起こすこともあるので、食事の30分前に水を飲みましょう
胃が膨らむことで食べ過ぎを防ぐこともできます
・仕事中やおやつの時間
コーヒーや紅茶など、カフェインの入った飲み物は、気分転換には効果的ですが、利尿作用が多いため体を冷やしてしまうこともあります
また、清涼飲料水は飲みやすいですが、砂糖やカロリーが多く含まれています
水分補給=水 ということを頭において、水分摂取をしていきましょう
冷たい水を飲むと美味しく感じられますが、胃への負担がかかってしまいます
常温の水や白湯など、温度にこだわることなく、ご自身にあった水分を摂取することが大切です
また、ゆっくり飲むことで体への負担を減らすことができます
「喉が渇いたから水分を取る」
では、もうすでに体内が脱水状態になってしまっています
また、少量飲むことで潤ったと感じ、満足してしまいがちです
喉が乾く前に少量ずつで良いので、1〜2時間おきにコップ1杯程度の水を飲むように意識していきましょう
どれくらい飲んだかわからなくなることもありますので、メモリ付きのコップやピッチャーを使用すると効果的です
特に高齢になると、のどの渇きに疎くなり、水分を欲さないケースもあります
進めても、「喉乾いてないから」「今はいらない」と、断られてしまうことも多いと思います
食事での汁物を増やしたり、味付きの水も導入することで、少しずつでも水分が取れるようアドバイスしていきましょう
脱水になると、舌や皮膚がカサカサと乾燥してきたり、尿量が減ったり色が濃くなります
他にも、一時的に記憶力が乏しくなったり、微熱が出たり心拍数が増えたりと、症状が出現してきます
また、塩分が不足することで、低ナトリウム血症を引き起こす場合もあります
症状の中に、反応が鈍くなる、錯乱するといったものがあり、認知症状との区別がつかず、見逃してしまうことも考えられます
適度に塩分も補給しながら、水分と共に摂取し、このような症状を見逃さないようにしていきましょう
実際訪問の際、猛暑の中であるにもかかわらず、冷房をつけることなくベッドで寝ている方もみえます
熱や血圧、脈拍などのバイタルサイン測定を行い、環境の調整を行いながら、水分・塩分の適切な摂取を促しています
「エアコンが嫌い」と話される方も多いですが、部屋の熱を逃し、過ごす部屋を適温にするために、エアコンと扇風機を併用して空気の循環を良くし、体に負担のない環境を作るようアドバイスしています
室内でも、間違った環境調整のせいで熱中症になり、状態の悪化を招くこともあるため、必ず温度計・湿度計を確認し、ご本人様の状態に合わせた環境調整をこれからも心がけていきます