深部静脈血栓症は、下肢や骨盤内などの深部静脈に血栓が生じた状態のことをいいます
原因として、
・血液凝固の亢進
癌や特定の遺伝性血液凝固障害などの病気では、固まる状況ではない時に血液が凝固してしまいます
特に、経口避妊薬やエストロゲン療法薬など、一部の薬剤は血液凝固を促進してしまいます
・静脈血流のうっ滞
長時間に渡ってベッド場での生活をしている方や、怪我や脳の病気により身体(特に下肢)を動かすことができない場合、ふくらはぎの筋肉が収縮せず、心臓へ血液を送り返せないため血流が遅くなります
また、健康な方でも、長距離ドライブや飛行機旅行などにより、長時間座ったままの姿勢をとっていると血栓症を引き起こします
・静脈壁の障害
腕や脚の手術や怪我、注射や炎症などによってキズがつくことで血栓が生じ、それによって傷がつきます
が挙げられます
深部静脈血栓症は、約半数は無症状です
このような場合には、肺塞栓症による胸の痛みや息切れが血栓の存在を示す初期症状になります
また、足の太い静脈の血流が遮断されると、ふくらはぎがむくみ、痛みや熱感などの症状が現れることがあります
予防法として、体を動かしましょう
旅行中に同一姿勢をとってしまう時は、足を挙上させ、足首を曲げ伸ばしする運動を30分後に10回行いましょう
足首の上下運動をすることで、ふくらはぎの筋肉がポンプとして機能し、静脈の血流を良くしてくれます
足のマッサージや、2時間ごとに歩行やストレッチをするのも効果的です
ベッド上で生活している方には、下肢の運動やマッサージを行い、なるべく離床できるよう関わることが大切です
もし血栓ができた状態で、血流を促進させるような運動をすると、血栓を運んでしまう危険性があります
違和感や異変を感じた際は、医療機関への相談をしましょう