オフィシャルブログ

日別アーカイブ: 2023年7月13日

下剤の選び方

毎日お通じはでていますか?

運動習慣の少ない人や、不規則な食生活をしている人、女性や高齢者など

便秘になりやすい方もいらっしゃいますよね

 

水分を多めに摂取したり、食物繊維の多い食事にしてみたりと、こういった日常の中でできるひと工夫は、便秘傾向にある状態の時には有効です

しかし、慢性化した便秘やなかなか予防行動の結果が望ましくない場合には、どうしたら良いのでしょうか?

 

今回は、薬物療法である、「下剤」についてご紹介します

 

下剤にはいくつか種類があります

 

刺激性便秘薬

⇨大腸に直接作用して、腸のぜん動運動を促す役割

代表薬:センノシド、ピコスルファートナトリウム、ダイオウなど

 

非刺激性便秘薬:浸潤性下剤

⇨腸内の浸透圧を上げ、腸内の水分量を増やし、便を柔らかくする働き

代表薬:酸化マグネシウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSD)

 

非刺激性便秘薬:膨張性下剤

⇨大腸で水分を含んで膨らみ、水分を保持しながら腸管内を移動し、便の量を増やす

代表薬:カルメロース、プランタゴ・オバタ

 

大きく分けてこの3種類です

 

便秘の状態によって薬剤の効果が違うため、薬を使い分ける必要があります

しかし、薬剤には作用がある反面、副作用も存在します

 

大腸刺激性便秘薬は、即効性があり、早く便秘を解消させることができる反面、体に耐性がつき、慣れてしまうことで効果が聞きづらくなっていきます

「今まで1錠で効いていたのに」と、2、3錠へ増量することになってしまいます

また、腸を刺激することで排便を促すため、腹痛も発生しやすいです

 

 

 

そのため、便秘薬で多く使われているのは、「浸透圧性下剤」になります

こちらは、便の中に水分を引き込んで柔らかくしてくれ、作用が緩やかなため腹部への刺激が少なく、自然な排便へ近づけることができます

 

自分の便の状態を見極め、医師の指示のもとで下剤を選択するようにしましょう

 

 

利用者様の中で、先日「便秘で辛い」と話される方がみえました

訪問した際、「通じがでてない」とお話しがあったため、水分・食事摂取の状況を聞き取り、腹部の状態を観察しました

お腹は少し張っている状態で、肛門部を見せていただくと、硬い便が出口を塞いでいる状況でした

 

ピコスルファートナトリウム(大腸刺激性便秘薬)を内服している方でしたが、3、4日続く便秘の状態になっていました

 

腹部のマッサージを行い、肛門周辺も優しく圧をかけながらマッサージしました

その後、摘便も行い、徐々に硬い便を出すことができました

 

このように、下剤を内服していても、便秘になってしまうことはよくあります

今回のことを主治医に報告、相談し、酸化マグネシウム(非刺激性便秘薬)の内服が始まることになり、ご本人様にも説明しました

 

食べたもの・飲んだものから、日ごろの水分摂取量、運動量をアセスメントし、今どういう便の状態になっているのか、なぜ便がでないのかを考えて対応しています

硬い便が肛門部まで降りてきてはいたものの、自力での排出が不可能だったので、今回は便を柔らかくする必要があると考え、主治医への連絡を行いました

 

訪問回数は人によって異なりますが、たとえ1週間に1回の訪問でも、全身の状態を観察し、トラブルが発生していないかを見極めていく必要があります

 

この方の場合は、3、4日の便秘であったということから、比較的早いうちに発見・対応ができてよかったと思います

ご本人様からも、「出そうで出ん感じがあった」「硬かった」とお話しがありました

 

 

ご本人様が暮らす在宅での生活が苦痛なく、快適なものになるよう、日ごろの訪問時から異常の早期発見・早期対応を心がけています

これからも全身を細かく観察し、しっかり対応していきたいと思います